日本放送作家協会主催 作家養成スクール
2020.06.04
その他本日より、講義開始です。久野麗先生より、メッセージが届きました!
「言葉の当たり年」
久野 麗
誰もが経験したことのないこの状況のおかげで、今、新しい言葉が次々と生まれ、既存の語句も新たな用法を獲得しています。
「3密」「アベノマスク」「テレワーク」「不要不急」「リモート××」・・・
すでに今年の流行語大賞の候補となりそうな言葉の数々、あなたなら、どれを大賞に選びますか。実用性、新規性、メッセージ性、リズム、音韻、などなど、言葉の持つあらゆる側面から新語を評価してみるというのも、こんなご時世ならではの一興です。
緊急事態宣言の際、「出す」や「発表する」という平易な語があるのに、首相は「発出する」という、殆ど聞いたこともないような動詞を用いました。なぜ、こんなわかりにくい語を使うのでしょう。そもそも、この動詞のこんな用法は正しいのでしょうか。
今、そんな「どうでもいいこと」を考えている場合か! と世の顰蹙を買いそうですが、こんなときでも、どんなときでも、言葉のことを考えてしまうのが、物を書く人の習性ではないかと思います。今年は言葉の「当たり年」に違いありません。
受講生の皆さんと、ともに言葉について考える日を楽しみにしています。
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