日本放送作家協会主催 作家養成スクール
2019.11.13
その他《受賞のお知らせ》 北阪昌人ラジオドラマ脚本セミナー受講生が、
NHK大阪放送局(BK)主催の「2019年度第40回BKラジオドラマ脚本賞」で
佳作を受賞されました!
八田明子さんおめでとうございます❕
八田 明子(はった あきこ)
東京都出身、横浜市在住。
フェリス女学院短期大学家政科卒。
平成26年度 橋田賞新人脚本賞佳作。平成29年度 第1回北杜市シナリオコンクール佳作。
令和元年 ラジオドラマ「広島もみじまんじゅう物語」最優秀賞。
渋谷本校
横浜校
大宮校
看護師で、過酷な日々を送る国枝美幸(34)。仕事はできるが、患者の気持ちにより添えず、恋人との結婚にも踏み切れないでいた。それは幼いころ両親が離婚し、温かい家庭の記憶がないせいだと、だらしない父・西村彰(67)を憎み、嫌っていた。
ある日母・国枝千秋(65)からの突然の電話で、父が危ない状態で、自分に会いたがっていることを知る。すでに再婚し、別の家族がいる千秋のことばに冷たさを感じ、複雑な気持ちを抱く幸。幸は、なくなる前に、彰にどうしても会いたかった。
病院に駆けつけた幸は、いつ命が消えてもおかしくない、老いて弱った彰と再会する。彰との記憶がない幸は、当たり障りのない会話をする彰にいらだち、爆発する。離婚後、一人親家庭に暮らし不安だった子供のころ、早く独り立ちしたくて悩んだこと、何もなかったように、勝手に天国に旅立とうとしている彰に、これまで心にしまってきた、怒りをはき出しぶつける。母から呪文のように聞かされてきた「だらしないお父さん」を自分で確かめ、「本当にお父さんはだらしなくて大嫌いだったと思いたい!」そう告げる幸に、彰は語り始める。
幸の知らなかった母の恋。母に背を向けられるのを恐れ、卑屈になり逃げ出した父。待ち続けた母。すれ違ってしまった父と母の昔の話を聞き、「みんな、いろいろあったんだね」と幸が受け止めたとき、息を引き取る彰。「葬儀はしなくてもいい。火葬場まで、六甲おろしを流してくれ」トラキチだった父の望むように、一人で弔うことを決める幸。トラキチ仲間に頼まれ、途中父を乗せた寝台車は甲子園球場に立ち寄る。球場前で、はっぴをまとった初老のドラキチ仲間が、旗を振り、ジェット風船を飛ばしながら六甲おろしを歌う。目を閉じる幸のまぶたに、幼いころ父と過ごしたスタンドでの幸せな時間がよみがえる。父を送った幸は、そろそろ結婚してもいいかな、と前を向く。
長い間生き別れになっていた娘と父。その縮まりそうで縮まらない微妙な関係を、絶妙なタッチで描いている。しかし後半の主人公の感情描写を、モノローグのみで表現したことに関してはマイナス意見が多かった。